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1街にちらばる
名も無い物語 -
2それは
ずっと其処にあった
僕らが生まれる
ずっと前から
太古からの大地を見守る
一本の大樹 -
3彼女はモダン
彼女はモード
不思議な魅力
不可思議な魅力
クラクラする僕
恋の目眩 -
4Now, Just close your eyes
Go to sleep, baby
I'm gonna give you a kiss
For your sweet dreams -
5長いベールをまとった
六月の花嫁
誰よりも幸せにおなり
あなたは、そのために
生まれてきたのだから -
6細い糸を弾いたら
哀しい音がポロンと鳴った
私はあてどなく
何度も爪弾いてみる -
7Bible
人は何度黒い雨を降らせば
気がすむのか
あなたに何か託すように
消えた命 -
8季節は移ろい
人は移ろい
心は移ろい
花の色は移りにけりな
いたずらに -
9湯煙に誘われて
懐かしさが
込み上げる
洗い髪が芯まで冷えて
家路を急いだ
冬の日 -
10笑わない人魚
手に入れたくて
一緒に海の底に沈んだ -
11サーカスの始まりだよ
細いロープを渡る曲芸師
ユラリと揺れて
真っ逆さま
道化が笑った
さぁ
サーカスの始まりだよ -
12雨上がりの空に
蹴り上げた靴
遠く飛んで
明日は腫れ -
13平和の琉歌
この国が平和だと
誰が決めたの
人の涙も
渇かぬうちに -
14絡み合う視線で
無言の語らい
言葉よりも雄弁に -
15細い腕を伸ばして
光に手を翳す
指の間から
さらさらと
月の雫が零れ落ちて行く -
16深い海の底
静かに沈んでいく私
水面が揺れながら
遠ざかって行った -
17交差する街角
あちら
こちら
そちら
そして空 -
18古い写真がハラリと落ちた
見知らぬ顔が笑っていた
色褪せて
煤けた紙の中で -
19絵を描いた
綺麗なものを描いた方が
いいのだろうと思うけれど
誰に認められなくても
心に響くものが描きたかった -
20硝子の瓶を覗いてみたら
滲んで歪んだ街が
水底で揺れていた -
21遊んでいた子が
一人、二人
帰って行く、夕まぐれ
あの子はまだ遊んでる
誰も迎えに来ない -
22縦の糸、横の糸
鮮やかな色が
織られていく
あの人の白い手から -
73誰もが家路を急ぐ夕暮れに
立ち止まってみた
せかせかとした足音だけが
私をすり抜けて行った -
74樹々の間に間に
見え隠れ
葉を透かして見る
気づかれぬよに -
75私からあなたへ
思いを紡ぐ
手を差し伸べる
其の心に -
76孤独な荒野をゆく旅人は
倒れては、起き上がり
倒れては、また起き上がり -
77月に吠える
狼の咆哮
月光の吐息
蒼い闇に溶ける -
78ブラシで
さっと刷いたような
白い雲の戯れ
見上げれば
ほら -
79生まれ出づる悲しみ
狭いトンネルを潜り抜けて
最初に見たのは
天から降りてくる光 -
80そして、私は
また歩き出す